第4回食の風総会開催の報告

NPO法人食の風 第4期定期総会を
平成25年4月21日にロワジールホテル那覇にて開催しましたことを
ご報告いたします。
NPO法人食の風 第4期定期総会議案書
平成24年度 及び 平成25年度案
期日:平成25年4月21日(日)午後14時30分~15時45分
場所:ロワジールホテル沖縄(北殿の間)
                 
1.開会のことば                司会 永峯 さゆり
2.会長あいさつ                会長 田崎 聡
3.議長選出
4.議事
1.  1号議案 平成24年度事業報告について
 2.  2号議案 平成24年度収支決算について
    会計監査報告 ※監査より
 3.  3号議案 平成25年度事業計画について
4.  4号議案 平成25年度収支予算について
5.  5号議案 理事変更について
6.   6号議案 本店移転、定款変更について
7.  その他
5.閉会のことば                  司会
NPO法人食の風 会員数報告
※事業年度末12月31日現在
会員数 95名
出席数                13名
委任状(代理人)による出席   16名
議決権行使書による出席     57名
合計86名
無回答及び連絡不通        9名
よって91%の回答を頂いておりますので、
9割の参加とさせて頂きます。
附則資料2
平成25年度 NPO法人食の風 運動方針    平成25年4月21日
NPO法人 食の風 代表理事  田﨑聡
今こそ、生産者と共生産者(消費者)をつなげるスローフード運動を、
食と農と医から考える「医食同源」「身土不二」の価値観を沖縄から
この1年、食の安心・安全への関心がこれほど高まった年はなかったと言っていいでしょう。
飲食関係、農林漁業、食品加工、流通業者、小売業者等、食に携わるあらゆる業界の人々が、
食を根本的に見直すことが問われているのです。
1.原発のない沖縄から「脱原発宣言」を
 先の日本における東北大震災による大地震、大津波、原発事故、風評被害によって東北地方は、
壊滅的な被害に遭いました。今なお続く余震と、原発による放射能汚染によって未だに福島県は
チェルノブイリのレベル7以上の危機にさらされている状態です。
原発周辺の地域は、米や野菜への放射能汚染が深刻で自殺した農家も多いと聞きます。
原発事故による汚染水が太平洋に流れ込み、魚介類は日毎に高いセシウムによる放射能汚染に
見舞われ、出荷停止の状態となっています。
日本の農業、水産業、林業、蓄産業、工業、外食産業とあらゆる産業が“酸欠による脳死状態”に
なっていると言っても過言ではないでしょう。福島の生産者は、第二次世界大戦で被爆した広島、
長崎に次ぐ日本で三番目の被爆地の生産者となってしまったわけです。
政府は、元に戻ることができるのは6カ月~9カ月と言っていますが、放射性セシウムの半減期は
30年とされているわけですから、元のように野菜や米、牛・豚・鶏、魚などが収穫できるようになるまでには、
5年か10年、20年かかるか皆目見当もつきません。
このような状況になってしまった日本は、米国、フランスに次いで現在世界3位の原発保有国と
なってしまいました。NPO法人食の風では、このような危険な原発エネルギーに頼ることなく、
今後は風力、太陽光、バイオエネルギーなどの自然エネルギーに頼った循環型の農的共生社会を
めざしていこうと考えています。したがって、原発には絶対反対です。
現在、日本には北海道から鹿児島まで原発が存在しています。
幸いにも、ここ沖縄には原発はありません。そこで、福島の被災者に沖縄に来ていただき、
営農疎開をしてもらおうと、このたび「沖縄でニッポンを復興させる推進協議会」を創設し、
福島の被災者を沖縄県宜野座村で受け入れ営農してもらうプロジェクトを始めています。
2013年には、さらにこの運動を広げて行こうと考えています。
2.TPP参加でサトウキビは全滅
 沖縄の基幹作物といえば、さとうきびです。
平成23年度の沖縄県の平成23年度の農業生産高1位は
、肉用牛の約136億円、2位は豚の126億円、3位はさとうきびの118億円となっています。
昨年までずっと1位だったさとうきびは、昨年の台風災害によって減少し、
農業生産高は3位に転落しました。
日本がTPPに参加すると沖縄県のさとうきびは、南米やオーストラリアの安い砂糖に代わり、
さとうきび農家は消滅、パイナップルやマンゴー、肉用牛、豚、乳製品も大幅に減少し、
沖縄の農業はほぼ壊滅状態になるといわれています。農水省はTPPを導入すれば
「GDPは8兆円の減少」「340万人の雇用減」「自給率は40%から14%に」「農業生産高は4兆円の損失」と
なると試算を公表しました。
もし、加盟国のアメリカ、オーストラリア、ベトナムなどから安価な輸入米や砂糖が入ってきた時、
一番利用するのは外食産業や学校給食です。そうなれば、沖縄のさとうきび畑や、
日本の美しい農風景はなくなり、伝統的芸能や祭りは、どんどん形骸化していって
しまうに違いありません。
私たちは農業や漁業が経済成長の名のもとに潰されていく姿をこれ以上見たくはありません。
東京の御用学者や大手のマスコミは、連日「強い農業に変えなければ」
「第3の開国」などとバカげたことを言っていますが、
売り先の決まっている大規模農家やブランド化された農水産物は別として、
一般の農作物が輸入食材の安い価格の訴求力にかなうわけはないのです。
輸入農産物は、すでに充分「開国」されています。オレンジ、グレープフルーツ、
イチゴ、パイナップル、マンゴー、バナナ、ねぎ、椎茸、豚肉、牛肉等、関税
はかかっていますが、すでに安くスーパーなどで販売されているのはご存知でしょう。
日本の第一次産業が高齢化、過疎化している中で、さらにTPPによる日本への
壊滅的なアメリカによる「食の侵略」を自ら進んで行く政府に、生産者はついていくことは
到底できません。
それと、もう一つ大きな問題はTPP参加によってアメリカの遺伝子組み換えの米や
作物が大量に日本に入ってくることです。
モンサント社をはじめとした農薬会社や医療系の製薬会社が日本を支配する、
恐ろしい食の時代がすぐそこにやってきています。
平成25年の参院選までは、JA票欲しさに政府自民党はTPP反対派のJAに大量の資金を
投入するといわれています。しかし、7月以降は一気にTPP参加に走るでしょう。
私たちNPO法人食の風では「真の独立とは、自給自足のできる国である」という信念のもと、
TPP参加には断固反対です。
3.肥満率1位、沖縄長寿神話の崩壊
ついに、沖縄県の平均寿命が2010年に、男性30位、女性3位(全国)にまで転落したことが
公表されました。
肥満率は男女とも全国1位、20歳代から65歳代の死亡率も全国1位となっています。
(2010年調査統計による)このことは、夜型社会やコンビニ、大型スーパー、ファストフードなど
の増加による車社会、輸入ポーク缶詰やステーキ、フライドチキン、ハンバーグ、ポーク缶詰、
食用油、日本一の消費量、といった高カロリーで米国型の消費生活による影響が大きいこと
を示しています。
沖縄県民は、グアムやハワイ、サイパンやフィリピンなどの米軍基地保有の島々の人たちと、
肥満率が高いことで共通しています。
米軍基地が未だに島の大半を占める、そうした地域の人々は、所得が低く失業率や離婚率、
出生率が高いのです。
 結果的に、いわゆる「貧乏人の子だくさん」の島嶼地域となってしまっているのが現状です。
そうした地域は、母子家庭が多く、夜の職場で働くシングルマザーや共稼ぎが多いので、
食事をしっかりと摂る時間がなく、金の余裕もないので、ついついコンビニやファストフードや
外食で済ましてしまいがちで、それが習慣的になると肥満率が高くなる、といった悪循環が続くのです。
 沖縄県には今、約400件のコンビニと約200件のスーパー、約20件の大型スーパー、
そして約200件のファストフード店がひしめきあっています。
このままこうした現象に対して県や自らが何も対策を打たなければ、
さらに「日本で最も不健康な島=沖縄」となってしまうのも時間の問題かもしれません。
そうなったら手遅れです。そうなる前に、もう一度戦前の沖縄の食文化、食生活や食材を
見直していかなければ「食の戦後処理」は終わりません。
米軍が落としていったこうした「食の爆弾」は、今でも「不発弾」となって沖縄県民の健康を
脅かし続けているのです。沖縄の長寿社会の復活のために、私たちは真剣に
取り組んでいくつもりです。
4.アジア食文化大学校の設立を
 沖縄は地理的にも文化的にも「アジアの食文化の交差点」です。
アジアの多様な食文化や食材が出会う場所でもあります。
日本には、世界に誇れる食の道、「稲作」「日本酒」「焼酎」「穀物」「海藻」「漬物」「発酵食」等々と、
人と食材が行き交う食文化があります。
そこで、NPO法人食の風では沖縄にアジア食文化学大学を設立し、
アジアにおける食文化の探求と啓蒙を薦めていこうと思います。
私たちは、この沖縄から「アジアの食文化=医食同源、身土不二」を考える
運動を全世界に発信していこうと考えています。
次の時代を切り開く食の新しい世界を、土から考えていく実践的な場。
料理人と生産者がコラボレーションできる、世界の料理人が集まり、学べる場が、
福島以後の日本にこそ必要です。食こそ命、命どぅ宝です。
今こそ、欧米化された日本の食生活を見直し、逆に世界に日本の食の文化を
プレゼンテーションしなければならない時代なのです。
日本版CSA(Community Supported Agriculture)
「地域のための地域による地域の食生産と消費」
こうした事態を鑑み、私たちが主宰するNPO法人食の風では、
CSA(Community Supported Agriculture)「地域のコミュニティに支援された農業」という、
アメリカ発祥のシステム。つまり、地域の農家から「安心・安全」な農産物を、代金前払いで直接定期購入するという、
生産者と消費者のつながりをより広げる新しいシステムの試みを始めました。  
沖縄のような小規模農家が多様な種類の在来品種の農産物を作れるようにすることで、
消費者がより生産者と共に地域のコミュニティに関与することができるようになるのです。
これは、スローフード運動の「消費者は共生産者である」という理念とも合致します。
こうした、新しい食と農と健康との関わりを模索しながら、いかに経済効果を産み持続可能な
農業を実践していくかという課題をクリアしつつ、
私たちは沖縄から新しい「食の風」を吹かせていくつもりです。
皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

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